イビツウタ
二次創作リハビリ帳。更新不定期。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ずきり、と鈍い痛み。遅れて左手が脈打った気がして、チハヤは眉を顰めた。手袋を外すことはせず、反射的に抜いてしまった双剣の片割れの標的を左手首から解除する。時折、むしょうに左手を切り落としてしまいたいと思う。衝動的に。紋章が自分を捕らえているのか、自分が紋章を捕らえているのか。
「まだ、逃がさない」
剣を鞘に戻し、大きな意志を閉じ込める。弾け迸る紋章の力を力ずくで押さえ込む。それを繰り返して数百年。
「もうそろそろ。ひとりじゃ限界かな」
他の様子も見に行こう。忘れないように。忘れられないように。そうすればまだいきることができるから。膨れ上がる力に蓋をする力を。
(チハヤさん!)
耳に残る優しい声たちは、まだ気づかないふりをして。
(4主)
PR
この記事にコメントする
この記事にトラックバックする
トラックバックURL: