イビツウタ
二次創作リハビリ帳。更新不定期。
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船室のひとつ。図書室となっているドアに触れたとたん嫌な予感がした。それを振り払うように一度放したドアノブに手をかける。
そもそも普段の自分ならばこんなところに近寄りはしない(生憎剣のことや島のことを考えるだけで手一杯で本など読む気にもならない)
ただ船長でもあるチハヤに図書室にいる女性に本を渡すように頼まれたためこの船に乗り込んで近寄ることの無かった未開の地に踏み込もうとしているわけで。
意を決してというのも可笑しな話だが兎に角自分にしては珍しく慎重にドアを開ける。と、出来上がった隙間から本や紙束が雪崩のように降り注いだ。
慌てて受け止めるものの、一度勢いをつけた本の塔は崩れ落ち。
「あら、もっと慎重にあけてくださらないと」
穏やかに響くその声はしっかりと自分を責める。座り込んだ視界の端で崩れた本が転がって船の床を走る。
それを拾い上げたらしい数冊の本を抱えてた黒髪の少女は甲高い声を張り上げた。
「あんたこの間あれほど本を増やすなといわれたばかりじゃない!」
「あら、図書室に本が無い方が問題よ。あなたも古書から知を学んで少しはあの方の補佐ができるようになったら?」
「余計なお世話よ!」
頭の上で飛び交う静と動の口喧嘩にこれからどうしたものかと頭を抱えた。
幻水4/アクセルとターニャとアグネス
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